合氣道真生会川崎高津道場　活動報告

２０２３年６月１５日（木）午後１１時５３分、合氣道真生会代表である濱田耀正（はまだ てるまさ）師範長が熊本において７２歳という若さでご逝去されました。

３年ほど前にご病気が見つかってから闘病生活が続き、特にこの数か月で大きく体調を崩された末のご最期であったということです。合氣道真生会の門人にとって、正に痛恨の極みとしか言わざるを得ない早すぎる現世でのお別れとなりました。

２０１９年１２月　本部道場（熊本）にて

自分（吉見）は１６日（金）にご連絡をいただき、せめて告別式には参列しようと取り急ぎ準備をして、１７日（土）朝の飛行機で熊本に向かいました。告別式は同日の正午より熊本市内の斎場にて神式で執り行われ、下関道場の武田道場長、益城道場の揚野道場長、大分道場の下辻道場長をはじめとする合氣道真生会の門人方はもちろん、今はそれぞれで稽古しているかつての同門の方々も多数参列されていました。

ご生前の様子を伝える展示コーナーには自分が参加させていただいた２０１３年２月の東京での稽古会の写真も展示されていました。正にその後の懇親会で濱田師範長に「真生会の道場を一つ増やします！」と無根拠に宣言したことが、川崎道場開設（２０１３年１１月）のきっかけですので非常に感慨深いものがありました。

告別式は滞りなく進み、お棺のフタを閉じる前のお別れでは、最後のご指導をお願いしようと神官装束で眠られている師範長の左腕を両手でしっかりと取らせていただきました。

告別式の後、奥様である濱田弥生師範のご厚意でご親族と一部の真生会門人の方々（益城道場の揚野道場長、本部道場の野口師範、熊本駅エリア道場の緒方道場長）と共に火葬場に同行させていただきました。更にその後のご自宅での祭事にも春風館合氣道の堀先生、熊本駅エリア道場の緒方道場長と共に参列させていただき、可能な限り濱田師範長への感謝の気持ちを届ける機会をいただけたと感じました。奥様（濱田弥生師範）にはご心痛、かつご多忙の中にも関わらず大変お世話になってしまい、ありがたく、そして申し訳ない限りでした。

濱田師範長ご自宅の祭壇

師範長の思い出や合氣道のことなど、様々なことをお話するうちに思わず長居をしてしまい、明け方近くになって予約していた宿に入ってとりあえず一眠りし、翌日１８日（日）には熊本駅エリア道場の緒方道場長が稽古を行うということで、朝９時ころに宿を出て稽古場所へと向かいました。

稽古場所は市内中心の繁華街から少し離れた場所のレンタルスタジオで、広さも雰囲気も川崎高津道場に似たものを感じました。自分が道に迷って少し遅刻したこともあり、稽古は９：５０ごろから１時間弱、それも自分は稽古着も持参していなかったのでお互いの手を取り合っての呼吸力の研究に終始しましたが、それぞれに思うところや疑問を出し合い、内容のある稽古をさせていただいたと思います。緒方道場長が「濱田師範長追悼稽古」といった表現もされていましたが、今回このタイミングで「熊本で稽古をした」ということには何か意義深いものがあったようにも感じます。

緒方道場長と別れた後は、夕方の飛行機まで時間があったので、もう一度濱田師範長のご自宅にご挨拶に伺おうかとも思いましたが、奥様もお疲れだろうからと思い留まり、あちこち散策して再建の進む熊本城眺めながら自分たちの合氣道にご縁のある場所などを巡りました。近くにかつて道場があり、先師や濱田師範長も日々歩かれたであろう熊本市中心の繁華街は、賑やかにたくさの人が行き交い、それぞれの日曜の昼間を過ごしていました。

濱田耀正師範長は合氣道真生会の大きな柱であり、真生会の門人にとってかけがえのない唯一無二の指導者でした。青年期からおよそ４０年に渡って開祖の高弟であった先師の内弟子として修業し、誰よりも間近で、誰よりも多く心身両面でその教えを受け、研鑽を重ね続けて来た濱田師範長の存在は比類のないものです。

いま、思いがけず早くにその大切な指導者を失い、この先の真生会の行く道は決して平坦なものではないでしょう。しかし、自分たちにはこれまでの師範長のご指導の記憶と合氣道を通じ生まれた人々との結びつきがあります。きっとこの先もずっと天から見守ってくださっているであろう師範長をがっかりさせないよう、これからなお一層、合氣道真生会の門人としてたゆまず心身の修業に励み、「合氣とは愛なり」の心にかなう合氣道を伝えられるよう努力していかなければならないと改めて強く感じています。

濱田耀正師範長、これまで本当にありがとうございました。そして、せっかく天上でのんびりされているであろうところ甚だ申し訳ありませんが、これからもこの不出来な門人を導いていただけますよう、何卒宜しくお願い致します。

合同稽古会で指導される濱田師範長（２０１７熊本）

合氣道真生会川崎高津道場　吉見新