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合氣道修行道場は元々は合気会の支部道場でしたが、先師のご生前から交流があり、昨年より真生会所属の道場となりました。
お二人とも川崎髙津道場には既に何度もいらしていただいていますが、ご来日のついでとはいえ、近くはないご滞在先からはるばる泊まりがけでご来訪いただき、誠に申し訳ない限りです。しかもかつて合気会に所属し、合気会の本部道場に出入りできた頃から「真生会の稽古の方がおもしろい」と、こちらの稽古を優先してご参加くださっていらしたのですから、誠に恐縮の至りです。この日はお二人が到着してから川崎髙津道場の仲間が来るまでに少し時間があったので、まずは三人で杖の形を数回練習しました。その後、参加者が揃ったところで礼拝を行い、メインの稽古に入ったわけですが、奇しくもこの日は合氣道真生会創立者である濱田耀正師範長のご命日(2023年6月15日ご逝去)であったため、礼拝はしのび手(拍手の際に音を立てない不祝儀における礼法)で行いました。今回の稽古はいわば濱田師範長の慰霊稽古でもあったわけです。
礼拝の後はいつもの流れで体操、体さばきと進め、多数者のさばきでは剣、杖、短剣を用いた武器多数者のさばきも行いました。

少し休憩を入れてから呼吸力の練習に入り、普段から行っている数種に加え、両手グータッチで真横に浮かしたり、手を使わず取らせた襟で下に崩したりといった少し難易度の高い練習方法も行ってみました。

またその中で、先師の呼吸力練習法の年代ごとのスタイルの変化についてもお話しました。先師のスタイルは、書籍や動画に見る60歳頃と自分が直に教えを受けるようになった70歳以降とでかなりの変化が見られます。大まかに言えば、年を経る程により形はシンプルに、より体的な力を使わない理法に変化しているのです。同じ先師の流れを汲む合氣道でも、先師のある年代のスタイルの模倣に留まっている方が少なからずいますが、濱田師範長は最後まで理想を追求する先師の変化を追い続けておられました。
この日はカナダ道場のお二人のご要望もあって呼吸力の練習に多くの時間を費やすことにしましたが、杖の形の練習の際に後ろ両手取りなどの技との足運びや姿勢の類似性についてお話したので、後ろ両手取りの四方投げと、同じく三ヶ条を練習しました。どちらの技も、濱田師範長が演武や稽古会でよく行った技でもありましたから、慰霊稽古にふさわしかったかと思います。またこれら後ろ取りの技は相手の浮かし方や足運びに他会派と明瞭な違いがあり、バリエーションも豊富で、先師の合氣道の一つの特徴であるように思います。

2時間ほどの稽古を終え、片付けと着替えを済ませた後、今回は道場から徒歩10分ほどの溝の口駅近くの居酒屋「土間土間」で懇親会を行いました(これまで川崎髙津道場の公式イベント会場としていた高津駅前の「はなの舞」は惜しくも閉店してしまったのです...。長らくお世話になりました)。
ところで、前述の通りこの日は濱田師範長のご命日でした。本来、自分(吉見)はそういった日は全ての動物食を控えるようにしています(開祖や先師のご命日、広島・長崎の原爆の日、東日本大震災の日などもそうしています)。しかし遠方からの来客を飲まず食わずで帰らせたら、その方が稽古外での交流も大切にされていた濱田師範長の逆鱗に触れてしまいそうなので、この日は特例ということにさせていただきました。ただ、皆さんも思うところがあったのか、この日に注文したのは魚料理や鳥料理がほとんどで、信仰上の理由で濱田師範長が(開祖、先師も)食べなかった牛肉、豚肉類はほとんど口にすることがなく、ちょっと後ろめたさが薄れました。
懇親会では例によって濱田師範長にもお写真でご参加いただき(いうなれば天国からのリモート参加ということになるのでしょうか?)、お好きだったビールを楽しんでいただきながら、お互いの道場やカナダの文化のこと、(なせか)東京の居酒屋事情など色々なお話をさせていただきました。
今回もとても楽しく有意義な時間を過ごすことができました。ガブリエル道場長、あゆみ先生、川崎髙津道場の皆さん、本当にありがとうございました。
自分も是非カナダの道場で稽古させていただきたいと思っていますが、時間とお金の問題でなかなか実現しそうにありません...。大変申し訳ない限りです。 m(_ _;)m
合氣道真生会川崎髙津道場 吉見新