合氣道真生会川崎高津道場 活動報告

2015.02.10

日本古武道演武大会を見学しました

2015年2月8日(日)、日本武道館で開催された日本古武道演武大会を川崎高津道場の仲間たちとともに見学しました。

古武道(古武術・伝統武道などとも言います)とは、一般に江戸時代以前に創始された諸流派の武道を言います。

武道に詳しくない方でも歴史や時代劇がお好きな方なら、○○流剣術、△△流柔術といった言葉はよく耳目にするのではないでしょうか。坂本龍馬が修業した北辰一刀流剣術、徳川将軍家剣術指南役であり一門から柳生十兵衛を輩出した柳生新陰流剣術などは一般的にもよく知られているのではないかと思われます。その他に歴史上の有名人に関連する流派を少し見てみると、剣豪として名高い宮本武蔵が創始した二天一流、赤穂浪士の大石内蔵助が修業した東軍流、勝海舟が修業した直心影流(じきしんかげりゅう)、桂小五郎(後の木戸孝允)が修業した神道無念流、近藤勇、土方歳三、沖田総司といった新撰組主要メンバーが修業した天然理心流などが挙げられます。また、一万円札でもおなじみの福沢諭吉も立見新流居合を修業し、晩年になっても稽古を続けていたようです。

合氣道、そして柔道、剣道といった現代武道もルーツはみなこれらの古武道にあります。江戸時代には剣術だけでも1000近い流派があったと言いますが(あるいはそれ以上か)、現代でもおそらく100を超えるであろう様々な武術の流派が、各地の関係者の並々ならぬ努力によって伝えられており(古武道の歴史には何度も衰退の危機があり、その中で惜しくも失伝していった流派がたくさんあります)、今回はその中の34流派で修業されている方々が弓術、剣術、居合術、薙刀術、柔術、棒術、槍術、手裏剣術、鎖鎌術、砲術などといった様々な武術を披露してくださいました。観覧者は思ったよりかなり多く、一階席はほぼ埋め尽くされ、終わり頃には二階席にもかなりの数の観覧者がありました。海外の方の姿も多く見受けられ、我々の隣で一人で観覧していた欧米人らしき男性に帰り際に話しかけてみたところ(カタコト以下の英語で・・・)、オーストラリアの方で合気会の本部道場で合気道を稽古しているということでした。

私(吉見)個人としては古武道には少年の頃から非常に興味が強く、以前は居合道も修業していましたが、いまなおその興味は衰えることはありません。古武道は、単なる格闘技、人を殺傷するための技術ではなく、そこには幾代にも渡って練り上げられてきた様々な技法とともに、長い歴史が育んできた深い精神性と古の思想や慣習に根ざした礼法・様式があり、日本独特の伝統文化の一つとして大変重要な意味を持つものであると思います。本来の古武道の技は、派手な技はそう多くはなく、ともすれば見ている人間にとっては地味で退屈に感じます。しかし、その静かで小さな動きの一つ一つにはそれぞれに各流派の理念に基づいた深い意味と高度な技術が秘められており、実際にやってみるとなるとごく簡素な動きがいかに難しいかを思い知らされることになります。

合氣道開祖、植芝盛平先生は、青年時代から柔術、剣術、槍術などの様々な古武道を修業し、合氣道を生み出されました。今回の大会に参加していた流派の中にもいくつか開祖が修業されたとされる流派があり、合氣道の、ひいては武道そのものへの理解を深める上で大変興味深いものがありました。合氣道をより正しく理解し、発展させ、そして未来に伝えていくため、今後もたゆまず研究に努めていきたいと思います。

貴重な休日に長い時間に渡って一緒に見学して頂いた川崎高津道場の皆さん、ありがとうございました。

そして、演武に参加された全国各地で古武道を稽古されている皆様、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした!

〇開会式

〇心形刀流(しんぎょうとうりゅう)剣術

〇陽流砲術の大筒、凄まじい爆音でした

合氣道真生会川崎高津道場 吉見

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